もくじ
はじめに
建材には、建物の構造材や仕上げ材、土木・設備系建材などがあります。また、その材質は、木材やコンクリート、金属、石などさまざまな種類があり、それぞれの特徴や特性を活かして使用されています。
しかし、住宅や商業施設のデザインで使う空間にマッチする建材が既製品のカタログに見つからないとき、デザイナーは特注で「装飾建材」を考えることになります。
「フルオーダー」と「セミオーダー」
オリジナル装飾建材には、ゼロから形や仕上げを考える「フルオーダー」、既存の建材の色や形を少し変える「セミオーダー」の二種類があります。フルオーダーは難しそうに思えますが、必要な技術を理解することで、デザイナーが求める建材を作りやすくなります。
トーザイクリエイトは、これまでに多種多様なオリジナル建材を提供してきました。これまでの実例を基に、その技術と可能性をご紹介します。デザイナーの皆さんのご参考なれば幸いです。
「フルオーダー」でオリジナル建材を作る
今回「フルオーダー」オリジナル(特注)建材の技術についてお伝えします。
フルオーダーで製品を作るには、まず形状と材質を選ぶ必要があります。各種素材の特長を活かしたオリジナル建材の製作には、さまざまな素材技術を組み合わせます。これにより、幅広いデザインや用途に対応した建材が作れます。
第1回では、トーザイクリエイトの主力製品のひとつである、GRCでつくるセメント成形品(＝DSCブリック)をご説明します。
セメント成形（抜き型～骨材注型）～セメントを材料として造形する
セメント成形とは
セメント成形とは、特定のデザインをもとに作られた型にセメントを注ぎ込み、その形を再現する技術です。この方法を使うと、自由自在な形を作ることができます。
◆製作手順
①オリジナルデザインの原型を作る
最初に、デザイナーのオリジナルデザインを元にして原型を作ります。※原型は、現物、3Dプリンタ、または専門の原型師による造形
②抜き型作る:
原型を使って、「抜き型」と呼ばれる型を作ります。この型は、後でセメントを注ぐためのものです。抜きやすいように勾配をつけた形状にする必要があります（逆勾配のデザインでは作れません）
③セメントと骨材（GRC）を注ぎ込む：
抜き型にセメントと骨材を注ぎ込み、硬化するのを待ちます。GRC（ガラス繊維強化セメント）を使うことで、耐候性や不燃性能、強度を持たせることができます。
④生産：
セメントと骨材が硬化したら、型から外します。抜き型を使って同じ製品を量産することができます。必要な量、納期によって型の数を増やします。
◆成型品の特徴
自由なデザイン:セメント成形では、機械で切り出せない複雑な形も再現できます。例えば、岩や木の表情をリアルに表現することができます。
また、同じ型を使って何度も成形できるため、大量生産が可能です。
まとめ
セメント成形品は、不燃性能や耐候、強度を求められる箇所で使用され、機械切削では表現できない自在な形状を再現できることが特長です。セメントのほかにも石膏や樹脂などいろいろな素材での製作が可能です。法定不燃材で外部で使用できますので、屋内外問わずオリジナリティの高い空間づくりに適した建材のひとつです。
具体的な注文の方法は「オリジナルブリックについて」をご覧ください。
次回は「NC加工」「レーザー加工」についてご紹介します。
詳細は下記よりお気軽にお問い合わせください。
表面の凹凸が美しい陰影を織りなす意匠性に富んだGRC製の壁面装飾建材、３Ｄデザインタイルのご紹介です。
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