最近はSDGsという言葉を聞かない日はないくらい、テレビ番組、CM、ラジオ、雑誌、SNS等によって頻繁に発信されており、身近に感じるようになってきました。2015年9月に国連にてSDGsが国際目標として採択されてから5年、目標達成期限2030年まで残り10年の今、改めてSDGsへの日本の取り組みについて学びたいと思います。
もくじ
SDGs ウェディングケーキモデル
まずは、SDGsのおさらいとして「SDGs ウェディングケーキモデル」をご紹介します。
「SDGs ウェディングケーキモデル」とはSDGsの概念を表す構造モデルをスウェーデンのストックホルムにあるレジリエンス研究所の所長らが、ウェディングケーキになぞらえて考案したものです。全17目標を大きく3つのカテゴリー「経済圏」「社会圏」「生物圏」に分け、それぞれのゴールが密接に関わっていることを分かりやすく表しています。これは「経済」が「社会」に、「社会」が「生物」(環境)に支えられて成り立っていることを示してます。ぜひ3つのカテゴリーを意識しながら、17個の目標を再度眺めてみてください。
17の目標について日本の進捗状況を知ろう
2020年までの日本の取り組み状況はどうでしょうか。実は2016年より毎年、各国のSDGsの取り組みについての進捗調査結果が公開されています。持続可能な開発ソリューションネットワーク(SDSN)と独最大財団のベルステルマン財団(Berelsmann Stiftung)により発行されているレポート「Sustainable Development Report」で知ることができます。 2020年日本のSDGsの17目標の進捗状況を 「Sustainable Development Report 2020」を参照にまとめました。(対象166ヵ国)
≪SDGsランキング2020 日本の順位は?≫
2020年6月30日に発表された日本の世界ランキングは17位
≪2020年 世界ランキング 上位20ヵ国≫ ※対象は166ヵ国 カッコ内はランキングスコア
1位 スウェーデン(84.7)
2位 デンマーク(84.6)
3位 フィンランド(83.8)
4位 フランス(81.1)
5位 ドイツ(80.8)
6位 ノルウェー(80.8)
7位 オーストリア(80.7)
8位 チェコ共和国(80.6)
9位 オランダ(80.4)
10位 エストニア(80.1)
11位 ベルギー(80.0)
12位 スロベニア(79.8)
13位 イギリス(79.8)
14位 アイルランド(79.4)
15位 スイス(79.4)
16位 ニュージーランド(79.2)
17位 日本(79.2)
18位 ベラルーシ(78.8)
19位 クロアチア(78.4)
20位 韓国(78.3)
≪2016年から2020年までの日本の順位とランキングスコア≫
- 2016年 18位(75)
- 2017年 11位(80.2)
- 2018年 15位(78.5)
- 2019年 15位(78.9)
- 2020年 17位(79.1)
≪2020年 日本のSDGs17の目標達成度≫
①目標達成(SDGs achievement)
- 目標4 質の高い教育をみんなに
- 目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 目標16 平和と公正をすべての人に
②課題が残っている(Challenges remain)
- 目標1 貧困をなくそう
- 目標3 すべての人に健康と福祉を
- 目標6 安全な水とトイレを世界中に
- 目標8 働きがいも経済成長も
- 目標11 住み続けられるまちづくりを
③重要な課題が残っている(Significant challenges remain)
- 目標2 飢餓をゼロに
- 目標7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 目標10 人や国の不平等をなくそう
- 目標12 つくる責任つかう責任
④最大の課題が残っている(Major challenges remain)
- 目標5 ジェンダー平等を実現しよう
- 目標13 気候変動に具体的な対策を
- 目標14 海の豊かさを守ろう
- 目標15 陸の豊かさも守ろう
- 目標17 パートナーシップで目標を達成しよう
SDGsの日本の目標達成度を知る
世界における順位と日本の目標達成度は上記のとおりです。下図はどの目標について対策が必要なのかわかりやすく色分けにしたものです。※Sustainable Development Report2020参照
これをウェディングケーキに当てはめてみると…
土台と考えられている「生物圏」に取り組みが不十分なものが目立ちます。土台がグラグラしていては将来が不安です。
どう取り組めばよい?
では日本政府として、企業として、個人として私たちは何から取り組めばよいでしょう。しっかりとした土台の上に社会を成り立たせ、経済を発展させるために、取り組みのヒントになるサイトをご紹介します。
首相官邸HP
首相官邸HPには政府としてSDGsの取り組みについての資料が多数発行されています。
SDGsアクションプラン2020 ~2030年の目標達成に向けた「行動の10年」の始まり~
こちらでは日本政府が取り組む「SDGs実施指針」として優先課題が具体的に示されています。
経団連SDGs特設サイト
経団連では2018年にSDGsの特設サイトを開設しています。「Society 5.0 for SDGs」として経済発展と社会的課題の解決に向けた第一歩となる商品・サービスが多数掲載されています。企業の取り組みの事例を知ることができる興味深いサイトとなっています。
※Society 5.0とは、「狩猟社会」「農耕社会」「工業社会」「情報社会」に続く、人類史上5番目の新しい社会のことです。
国連HP
気候変動と持続可能性に関する個別の行動のための国連キャンペーン「ACTNOW」
「思い立ったが吉日」「今こそ改革の時です」と個々に呼び掛けています。
10の簡単なアクションから始めましょう!
- 5分間のシャワー
- 自分のバッグを持参してください
- ドライブレス
- 消灯
- 地元の農産物
- 植物ベースの食事
- リサイクル
- 詰め替えと再利用
- プラグを抜く
- 無駄のないファッション
「ACTNOW」には子ども達へのミッションもあります。
子どもが大人の助けを借りて行うアクティビティを含むダウンロード可能なコンテンツが用意されています。8人のスーパーヒーローが登場し、わくわくするようなプログラムとなっていて、子どもたちは楽しみながら学べます。
まとめ
今回はSDGsについて日本の今を調べました。まだまだ結果がでるには時間がかかる目標もありますが、日本政府として様々な取り組みを続けていることが分かりました。それは国内だけではなく国外へも知識や技術の提供、経済支援という形で行われています。また市場のニーズとして、SDGsに取り組んでいる企業が今後さらに求められていくということも分かりました。
誰かがやればいいという遠くの国の話ではなく、持続可能な未来を子ども達へ受け継いでいくために、自分の事として考え、まずは個人としての小さな取り組みから始めていきたいですね。思い立ったが吉日!です。
リンク
Sustainable Development Report