2020年7月1日より全国でレジ袋の有料化が始まりました。
経済産業省HPによると有料化を始めるにあたっての政府指針として、「普段、何気なくもらっているレジ袋を有料化することで、それが本当に必要かを考えていただき、私たちのライフスタイルを見直すきっかけとすることを目的としています。」と出ています。
なるほど、レジ袋を有料化にして使用量を減らすことだけが目的ではなく、これをきっかけにライフスタイルを見直すことが目的なのですね。有料化になって10ヶ月、変化は起こっているでしょうか。今回は改めて、私たちの暮らしとプラスチックについて考えてみたいと思います。
プラスチックを減らす理由
そもそも、なぜプラスチックの使用量を減らしたいのか。
2016年1月の世界経済フォーラム年次総会での報告書によれば、少なくとも毎年800万トンもの廃プラスチックが海洋に流出し、このまま行くと2050年には海洋中のプラスチックの量が魚の量を超えてしまうと出ています。
プラスチックを削減する大きな要因として海洋問題があげられます。流出した廃プラスチックによる被害を受けた魚やウミガメ、海鳥などのショッキングな映像を目にされたことのある方も多いのではないでしょうか。目にみえないマイクロプラスチックは魚の体に蓄積し、いずれ人間の体に害を及ぼすことも懸念されています。このような理由で今すぐ取り組むべき問題として各国が動き出しています。
身のまわりのプラスチック製品
プラスチック製品といえば、ペットボトルがすぐに浮かびますが、私たちの回りにはどのくらいのプラスチックが使用されているのか、デスク回りの見える範囲で数えてみたいと思います。
机、椅子、カーペット、キャビネット、デスク間仕切り、デスクライト、パソコン、携帯電話、卓上電話機、コピー機、カメラ、空気清浄機、加湿器、オーディオ、ペン、消しゴム、定規、電卓、クリアファイル、クリップ、のり、はさみ、カッター、テープ、はんこ、メガネ、スタンプ、ゴミ箱、プランター、額縁、カレンダー…
何も考えずに目に入ったものを挙げてみましたが、30をすぐに超えました。よく考えれば他にも沢山のプラスチック製品があります。いつの間にか、私たちの生活はプラスチック無しでは成り立たないといっても過言ではありません。
プラスチックと賢く付き合う
私たちの生活からプラスチックをゼロにすることは難しいことですが、減らす努力はしなくてはなりません。生活を便利にしてくれるプラスチックの良いところは認めつつ、どう賢く付き合うか。環境省が推進する“プラスチックとの賢い付き合い⽅“を進め、広める活動・取組である「Plastics Smart (プラスチック・スマート)」は、私たちが参加しやすい活動や企業の取り組みを紹介しています。ぜひ参考にしたいですね。
また、ペットボトルを再利用した商品を使用することも大切な取り組みです。日本のペットボトルの再利用率は30%と世界的に低い水準ですが、消費者が積極的に使用することで、もっと再利用商品が珍しいものではなくなるように増やしていきたいですね。
2021年3月9日、政府はレジ袋に続き、主にコンビニなどで配られるプラスチックのスプーンやフォークなどを規制することを盛り込んだプラスチック新法案を閣議決定しました。これらは使用シーンによっては、使い捨てがとても便利な商品で、マイバックのように各自が持ち歩くのは衛生的にも難しい場合が多そうです。コロナ禍で使い捨ての良い点も見直されている今、プラスチックに替わる新素材に注目が集まりそうです。
以前ご紹介した「蜜蝋ラップを作ってみよう!」や「卵の殻からリサイクル」では、プラスチックを削減しつつ、衛生的で便利な代替品の記事を読むことができます。ぜひのぞいてみてください。
おわりに
先日、使わなくなった子どものおもちゃを片付けていたら、プラスチックで出来ているものがとても多くありました。綺麗なものは知り合いに貰ってもらいましたが、壊れたり汚れが落ちないものは処分しました。 おもちゃもリサイクルできたら…と調べてみると、おもちゃのサブスクリプションサービスがあることを知りました。月齢にあったおもちゃが届く点や、買ったけど全然遊ばなかったという無駄もなくなる点が受け、利用者が増えているようです。もちろん、プラスチック以外の素材のおもちゃを選ぶという選択肢もあると思いますが、プラスチックのおもちゃ、楽しいものが沢山ありますよね。プラスチックと賢く付き合うという点からみてもとても素晴らしい事業だと思いました。
2050年に海の生物が元気で暮らせるよう私たち人間が知恵を絞って、できる事から取り組んでいきたいですね。