「廃棄食材から+1」~第1回 ベジブロス~

以前ご紹介した「食品ロスについて知ろう」で、世界で起こっている廃棄食材について調べたことをきっかけに、個人ができることがないか?と考えるようになりました。

色々と調べてみる中で、私たちが生活の中ですぐに実践できるのは「作りすぎず、消費期限の近いものから消費し、使い切ること」だと再認識。

そこで今回は、いつもなら捨ててしまう廃棄食材を使ってもう1品、手軽にできるものを作ってみようと思います。

題して「廃棄食材から+1」。

今まで捨てていたものから一つ増えるってわくわくしますね。シリーズとしてご紹介していければ良いなと思っています。

廃棄食材といえば?

普段の生活の中で、食べられるけど捨てているものといえば、野菜や果物の皮がありますよね。野菜や果物の皮には実の部分より栄養価が高いと聞いたことがある方、多いのではないでしょうか。

野菜や果物には「ファイトケミカル」が含まれており、特に皮の部分には多く含まれるそうです。私たちにとって健康的な生活に欠かせないものです。

ファイトケミカルとは?

ファイトケミカルとは植物性食品に含まれる香り、色素、苦み、渋みなどの成分から発見された化学物質のことです。(植物性食品:野菜、果物、穀類、豆類、海藻、お茶、ハーブ)

まだまだ研究中でわかっていないことも多いようですが、私たちが健康に生活するために、積極的に摂取したほうがよいものが沢山あるようですので、具体的な食材と共にいくつかご紹介します。

参考:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット

【効用】

抗酸化作用、免疫機能の向上、動脈硬化予防、老化やがんの発生防止、血行を良くする、血液サラサラ効果、等

【成分】

■ ポリフェノール/ほとんどの植物に存在する苦味や色素の成分

  • アントシアニン・・・ぶどう、ブルーベリー、なす、カシスなど
  • カテキン・・・緑茶、紅茶
  • カカオポリフェノール・・・ココア、チョコレート
  • ショウガオール・・・生姜

■ カロテノイド/動植物に広く存在する黄色または赤色の色素

  • βカロテン・・・にんじん、ほうれん草、ケール、かぼちゃ、みかん、すいか
  • リコピン・・・トマト、すいか
  • ルテイン・・・ほうれん草、アボカド、ブロッコリー、小松菜

■ 硫黄化合物(含硫化合物)/独特な香り

  • にんにく、玉ねぎ、大根、ワサビ、にら、長ネギ

■ テルペノイド(テルペン類)

  • リモネン、カルボン・・・レモン、みかん、オレンジ、グレープフルーツ
  • ジテルペン・・・しそ、ローズマリー、セージ

ほとんどの食材は普段食べているものですね、これらの食材の皮やヘタからもどんどんファイトケミカルを摂取していこうと思います。

ファイトケミカルを廃棄食材から賢く摂取しよう

今回は普段の料理の際に捨てずに取っておいた野菜の皮やヘタなどを使用して、ベジブロスを作りたいと思います。ベジブロスとは野菜くずで作るファイトケミカルたっぷりのだし汁の事です。

【用意するもの】

  • ・野菜くず 300g
  • ・大根、人参、白菜、ネギ、玉ねぎ、りんごの皮や芯、かぼちゃの皮やワタ など
  • ・水 1000ml
  • ・酒 おおさじ1

【作り方】

  • ① お鍋に野菜くずと水、酒をいれる
  • ② 強火にかけ、ぐつぐつなる直前に火を弱める
  • ③ そのまま20分~30分程煮る
  • ④ 火を消し、ざるで濾す
  • ⑤ 冷めたら冷蔵保管で数日、冷凍では1ヶ月以内に使用してください。

※圧力鍋なら10分程度過熱し、余熱で圧力が下がるまでそのまま置いておき、ざるで濾して完成です。

※冷凍の際は氷の容器で凍らせておくと、使うときに便利です。

【使い方】

スープ、パスタ、リゾット、煮物などを作る際に水の代わりに使うだけで、コクが出て美味しくなります。

  • ◆ おすすめの使い方

冷凍したベジブロスをハンバーグの種の真ん中にいれて焼きます。表面にはしっかり焼き目をつけて、中の旨味が逃げないようにじっくり焼くと、たっぷりの肉汁と旨味がジュワーッと、お店で食べるハンバーグのように美味しくなります。

さらに、ハンバーグを焼いたフライパンにベジブロス、バター、塩コショウ、にんにく、お醤油を少々入れてサッと煮詰めると、ハンバーグソースの出来上がりです!ぜひお試しください。

さいごに

今回は「廃棄食材から+1」と題して、普段捨てている野菜や果物の皮から栄養を摂取しました。お料理にひと手間をかける丁寧な作業は、心も満たされて、身体と心の両方から健康になれそうです。

次回はもっと簡単で、おいしいレシピをご紹介したいと思います。お楽しみに!


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